やっぱり間食はダメなんだ
おやつ毎日じゃなきゃいいでしょ?くだものは体にいいって言うし、間食じゃないわよね?
(あんまりよくないんだけど・・・ダメって言いずらい)
ダメとわかっていても、ついつい手が伸びてしまうおやつ
自分だって辞められないのに、患者さんにダメって食事指導しにくい・・・
おやつ関連の食事療法は結構聞かれること多くて困っていませんか?
そんなあなたのお悩みをスッキリ解決
この記事を読めば、禁止するだけじゃない間食についての食事指導の引き出しが増えます
体に及ぼす間食、6つのデメリット
体に良くないとわかっていても具体的になぜダメかと聞かれると良くわからない
具体的なデメリットは6つ
デメリットを抑えておくと、質問されたときに役立ちます
体重増加
BMI25以上は肥満です
例えばュークリーム1個(200Kcal程度)毎日食べると
翌月には体重1㎏増加します
血糖コントロールが悪くなる
菓子類やジュースに含まれるショ糖は摂取後急激に血糖を上げます
急激な血糖上昇が続くと糖尿病に
中性脂肪が増える
菓子やパンの中には糖質や
トランス脂肪酸が含まれているため
食べ過ぎると中性脂肪が上昇し脂質異常症に
塩分摂取量が増える
せんべいやポテトチップスなど
しょっぱい系のお菓子は塩分が含まれています
3食にプラスして塩分をとることで塩分過多となり高血圧の原因になります
栄養が偏る
おやつの多くは糖質や炭水化物
炭水化物が増える分、タンパク質や野菜などが不足し栄養が偏ります
食習慣が乱れる
欠食(食事を抜く)はドカ食いの原因に
だらだら食いは血糖値が上昇し続ける原因に
食事時間のバラつきは生活リズムが乱れる原因になります
生活リズムの乱れは太りやすい体質を作る元です
間食のメリット3つ
間食は悪いことだけじゃない!と思いたい
そんな私が日々患者さんと関わる中で見つけた間食のメリットをご紹介します
人生の大切な時間→QOL向上
人とのつながりや習慣など
人生において大切にしている時間のお供になっているときがあります
お茶会があるからと毎月欠かさず70歳になっても友人と会っている方もいました
ご褒美が節制継続のモチベーション
ずっと頑張ることは誰しも難しい
月に1回の会食やおやつパーティーなど
お楽しみがあるから、その日までは頑張ろう!と継続のモチベーションアップに繋がります
ちょっと一休み 気分転換リフレッシュに
家事や仕事の合間にちょっと休憩
息抜きやリフレッシュ、ストレス発散になっている場合があります
カロリーがなければOK?カロリー表示の決まり
どうしても食べたい!
カロリーがなければいいでしょ?と思う方も多いです
ここで問題になるのがカロリー表示
ゼロカロリー・カロリーレス・OFF・低糖・甘さ控えめなどなど
ちょっとわかりずらいカロリー表示について説明します
ゼロ・無・ノン・レス→5Kcal以下/100g
ゼロ・無・ノン・レス
→100gあたりの5Kcalなら表示可能
全く微々たるカロリーですが0ではありません
カロリーオフ・低カロリー→20Kcal以下/100g
オフ・低カロリー
→100gあたり20Kcalなら表示可能
『○○%カット』はカットしていない製品の総カロリー量と比較しましょう
低糖・微糖→糖類2.5g未満/100㎖
低糖・微糖
→100mlあたりの糖類が2.5g未満なら表示可能
無糖→糖類0.5g未満/100㎖
無糖
→100mlあたりの糖類が0.5g未満なら表示可能
甘さ控えめ→定められた規定なし
味覚に関する表示は
個人差があるため
法律で定められた基準はありません
販売元の判断で自由に表記可能
節制がストレスにならない食事指導ポイント
行動変容に必要なのは、患者さん自身が節制が必要と感じることです
こうなってほしいという行動を押し付けたり、禁止するとその時はできても習慣になりません
多くの患者さんは問題行動の把握や必要な行動変容について理解されています
あとは行動に少しずつ移すだけ、医療スタッフは強力な応援団になれればゴールへ近づきます
STEP1:体に与える影響やデメリットの共有
デメリットは主に体への悪影響
メリットは主に心への影響が多いと思います
デメリットを具体的にイメージすることで心と体が受ける影響の折り合いをつけるイメージです
患者さんと一緒に、ストレスに感じず健康でいられる目標を考えます
思いついた行動目標は患者さんにまだ伝えません
ここで行動目標がいくつか(なるべく多く)思い浮かべられるとSTEP4で役立ちます
STEP2:間食行動の理由と向き合う
本当に間食が必要なのか
なんとなく、手を伸ばせばあるから、暇つぶしだったなど悪い習慣から間食していないか
自分自身と向き合って患者さんとともに振り返ります
すると、ここはやめられそうというポイントがいくつか患者さんの脳裏に浮かんでくるはずです
STEP3:セルフモニタリング導入で問題行動の可視化
STEP3まで実施できると医療スタッフがあえて
「間食は週3回にしましょう」「夕食以降の間食はやめましょう」などの
具体的な目標を立てなくても患者さん自身で行動目標を考えて実践できます
行動変容がほんのちょっとでもできている患者さんに対してはできていることを言葉でフィードバックするだけで効果ありです
「間食の回数が1日2回から1回になっていますね」「食べるおやつの量が少なくなりましたね」など
セルフモニタリングを読み込んで患者さんがアピールしない頑張りに気付いて頑張っていることを賞賛します
STEP4:セルフモニタリングでも減らないときは行動変容を提案する
セルフモニタリングを導入しても間食が減らない患者さんには医療スタッフから具体的な目標を提案します
セルフモニタリングで間食の記載できているだけでとても努力しています
その努力を認めつつ、「これくらいなできそう」と思える行動目標を患者さんを一緒に探しましょう
STEP1で思い浮かべた行動目標をここで提案します
くだものの適量と食べるタイミング
くだものの栄養素 甘さの正体=果糖は吸収が早く中性脂肪のもと
食品交換表ではⅠ群(炭水化物を多く含む食品)表2(くだもの)に分類されます
糖尿病患者1600Kcalの食事療法では1単位(80キロカロリー)/日程度は摂取してよいです
厚生労働省の健康日本21第二次では1日200gのくだもの摂取を推進しています
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000070505.pdf
注意点:100%ジュースは食物繊維が取れない ドライフルーツや缶詰は菓子に準じて考える
「フルーツ100%なら大丈夫」「皮むきが面倒だから」などの理由で
ジュースやドライフルーツ・缶詰のフルーツを多用している患者さんは要注意
どちらも糖質が多いため、くだものではなく菓子類として考えるという衝撃の事実です
生のフルーツの代用にはならないことを説明しましょう
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0326-10l-008.pdf
くだものは午前中に食べるのが吉 量は片手のひらサイズ
食後活動でカロリー消費が見込めるため、午前中に食べるのが◎
果糖が多く含まれるくだもの
食べた後も活動による消費が期待できる午前中に食べたほうが良いです
血糖の上昇が急峻の為、間食としてではなく食後のデザートとして食べることでデメリットが軽減されます
適量は80Kcal、片手に乗るサイズ
「リンゴは?」「ブドウは?」とくだものの種類ごとに聞かれると答えるのが難しい適量
よくスーパーなどで見かけるくだものの適量はこのくらいです
これ以外のくだものを聞かれて困ったときはコレ
手ばかり法を活用しましょう
片手の平に乗るくらいが1日の適量と説明しましょう
片手を出しながら
「リンゴなら半分、巨峰なら10粒くらい」と
想像しながら伝えると患者さんに伝わります
終わりに 「間食をやめることがゴールか?」
間食のデメリットから考えられる目標を思い出してみましょう
おやつを節制することは手段であって目標ではありません
健康な食生活や体であればおやつを食べてもオッケー、間食は絶対に禁止とは限りません
間食をやめるのではなく
付き合い方を患者さんと一緒に考えようと試行錯誤すると医療スタッフの負担も患者さんのストレスも減り、節制が少し気軽になります
お互いがしんどくなる療養指導は長続きしません
節制中でもできるお楽しみの頻度やふり幅を宝探しゲームのように探すと療養指導が楽しく継続できます